疲れ切った心




「ごちそうさまでした」



お夕飯も頂き、すっかり暗くなってしまった。



「またいらしてくださいね」

「はい。今日はお世話になりました」



「結夢様」


「ありがとう」



紙袋を受け取った結夢がこちらに差し出した。



「何?コレ」

「さっきの服だよ?」



ふ、く・・・・・?



「悠斗君に聞いたよ。今、悠斗君の所に居るんだって?」



やっぱり聞いてたか。



「洋服必要でしょ?」



結夢・・・・・



「それと、今日間違えて下着のサイズ間違って買っちゃったんだ。珠理、貰ってくれる?」



違うでしょ。



間違って買ったんじゃない。



わざわざ私の為に買ってくれたんでしょ?



「ありがとう、結夢」

「どういたしまして」


「そうだわ。貰い物のお菓子があるの。珠理ちゃん、ちょっと待っててね」



そう言っておばさんは玄関を背にした。

< 479 / 572 >

この作品をシェア

pagetop