疲れ切った心




「そんな・・・・・」



「ごめんね、結夢。何時も支えてくれた結夢には感謝してる」



「だったら一緒に卒業しようよ・・・・・」



誰もが珠理と一緒に卒業できると思っていただろう。



この時季にこの発表は誰もが戸惑っているはずだ。



「結夢なら分かってるでしょ。私は自分の意思を曲げたりしない」



そう。コイツは一度も自分の意思を変えたことはない。



だからこそ全校生徒が珠理に付いていったのかもしれない。



「珠理、本当に後悔しないのか?」



「しない」



俺の目をしっかり見て言い切った珠理には、もう何を言ってもダメだと諦めた。



「分かった。俺はもう止めない」



「ありがとう、悠斗」



「ダメ、私は絶対反対」



「結夢、珠理ちゃんの人生なんだから後悔しない選択をさせてやろう?」



「うぅ・・・・」



海の胸を借りて泣いている竹下を見て、納得したんだな、と思った。
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