疲れ切った心
ガン
「それが本性ってわけだな」
私から少し離れたところで大西悠斗があばらを押さえて立っていた。
「大丈夫ですか?」
心配してる“振り”をした。
「何、“私は知りません”みたいな顔してんだよ」
「そんなの自業自得でしょ」
もう猫を被ってても仕方ないから猫を取った。
「やっと本性出したな」
まるで人を化け猫みたいな扱い方。
酷くない?
「そうですけど?」
「何であばら蹴るんだよ」
「脚が滑っただけですよ」
脚が滑ったなんて本当は嘘。
普通に言うのは悔しいからね。
だから大西悠斗のあばらを思いっきり蹴ってやった。
「黙っててやってもいいけど?」
えっ・・・
こいつってそんなに物分かりのいい奴っだったんだ・・・・
「そのかわり俺と付き合え」
世の中そんなに甘くはないですよね。