疲れ切った心
「そんな時に舞が会社を開くから一緒にしないかって誘いの話が来たの」
「私、あの時の准が見て居られなくて自分の特技を生かして何か成功する方法を探したのよ?ちょうどファッションビジネスコースに通ってたからデザイナーなら出来るかな?って思ったの」
流石結夢の母なだけあって親友の為に動くって所はそっくり。
「本当はね?失敗したらどうしよう、って気持ちもあったの。でも、それ以上に准を助けてあげたかった」
「私も正直賭けだった。だって一から会社を作り上げて行くんだよ?そんなとこに入るなんて賭けに近いでしょ?でも舞が私の為に会社立ち上げる事決意してくれたのに裏切れないでしょ?そしたら舞のデザインが認められて、この会社は安泰した」
この会社は2人の努力の結晶なんだ。
「素敵な話ですね。私が混ざってもいい所なんですか?」
「いいのよ。珠理ちゃんは仕事の飲み込みが早いから」
あれ?私っておばさんの前で何か仕事したっけ?
「パパに聞いたのよ」
あぁ~・・・・おじさんね。
「おばさん、准さん、改めて今日からよろしくお願いします」
深々と2人に頭を下げた。
「本当にしっかりしてるわね~。瀬奈にもみせてあげたいわ」
「私も舞さん、って呼んでちょうだいな。准だけずるいわ」
「ま、舞さん・・・・?」
舞さんの迫力に負け、素直に呼んだ。
「まぁ~!すっごく嬉しいわ。これだったらおばさんじゃなくて舞さんって仕込んでおくべきだったわ」
仕込むって・・・・・
「はいはい。舞さん、仕事するよ」
「准にさん付けされると怖いわ」
2人の会話に思わず笑みが零れてしまった。