疲れ切った心
「お袋は下で寝ろよ」
「はいはい」
悠斗と一緒に布団を敷く。
「私下で寝ますんでお義母様は上で寝て下さい」
「待て待て待て。俺は親と寝ろって言うのかよ」
そうなるね。
「いいじゃない。久しぶりに一緒に寝ましょうよ」
「久しぶりって、何時の話してるんだよ」
「子供の頃よ?怖い夢を見たってよく私達の所に来てたよね」
子供の頃・・・・・
子供の頃、私は一人で寝てたな。
幾ら怖い夢を見ても親の所に行くことなんて出来なかった。
「そんなことを珠理の前でばらすな!」
「彼女の前では格好付けたいのね」
「だから珠理は笑うな」
家族ってこんなに暖かいんだね。
准さんも、口では憎まれ口を言うが、愛してるって伝わってくる。
悠斗だって婆って言うけれど、それほどの信頼関係が親と築いて来た証拠。
結局私と悠斗が下で寝ることになった。
私は、悠斗に抱きついて眠りに落ちた。
悠斗も私を抱きしめてくれて、ちょっと寂しくなった私を安心させてくれた。