疲れ切った心
悠斗side




「いってらっしゃ~い」



お袋の見送りで珠理は出勤していった。



「悠斗、あんた何歳年上の女性を捕まえたのよ」


「年上も何も、同い年だし」



ベッドを背凭れに座った。



「嘘言うんじゃないの。あんなにいい子が学校に行ってない訳ないでしょ」


「退学した。新学期早々」



サラッと言うと携帯を弄り始めた。



「あんなにいい子が!?」


「親と揉めてな。自分探しでもしてんじゃねぇの?」


「あんなにしっかりした子でも自分を見失うことってあるのね~」



俺の向い側に座り、さっきまで飲んで居たお茶を一口飲んだ。



「で?今は何してるの?」


「デザイナーの手伝い」


「何時から始めてるの?」


「新学期の翌日」


「偉いのね。そんなに早くから仕事を見つけて」



見つけたと言うより、紹介だな。



「何があったかはあんたの口から聞かないけど、ちゃんと支えてあげなさいよ。この歳で就職はキツイんだから」


「分かってる」
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