疲れ切った心




「大学卒業してからでも結婚は出来るのよ?」



「分かってる。それじゃあ遅いんだよ。その頃の珠理はどうなってるか全然予想ができない」



「それは皆同じでしょ?」



「珠理だけは違うんだ」



アイツは特別。



「アイツ、一度自殺しようとしたんだ。未遂で終わったが、あの時は怖かった」



震えが止まらなかった。



「ウソでしょ?」



「今は笑ってるが、本当の話」」



情けないが、今でも震えが止まらない。



「そこまで追い詰めてる珠理を、常に安心させてあげたい」



勿論それだけで安心するとは思っていない。



それでも出来ることは全部してあげたい。



「だから大学を卒業をするまで待てないんだ」



「そう・・・・」



「それに、大学もなんとなくって感じだったし」



「私は反対しない。でもそれはパパに自分で言いなさいよ」



「分かった」



それから珠理に美味しい物を食べて貰うと張り切ったお袋に、買い物に連れ出された。
< 511 / 572 >

この作品をシェア

pagetop