疲れ切った心



「もしもし、親父?」



今日はちょっと早く家を出て屋上にやってきた。



『おぉ、悠斗か。母さんは?』


「今日帰るって」


『そうじゃない。元気か?』



元気って・・・・・



「たった3日で体調が崩れるなんて早々ねぇよ」


『たったじゃない。もう、だ』



この夫婦はバカだ。



「それよりさ、進路のことなんだけどさ」


『大学決めたか?』


「その大学のことなんだけどさ、就職に変えたい」


『どうした?急に』


「プロポーズしようと思って」


『プロポーズ!?』



この夫婦本当に嫌い。



プロポーズするだけでそんなに噴き出すか?



「彼女を養ってあげたいんだ」


『だからって高卒で結婚しなくてもいいだろ』



笑いながらまともなこと言われてもね。



「大学卒業してからじゃ遅いんだ」



昨日お袋に言ったことをそのまま説明した。



『分かった。好きなようにしなさい』


「ありがとう、親父」


『でもあの悠斗がプロポーズとはね』



思い出し笑いしている親父を無視して電話をブチ切った。
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