疲れ切った心
「で?何のお祝い?」
「も~、忘れちゃったの?」
忘れるも何も、心辺りがないんですけど。
「今日は珠理の誕生日だろ?」
私の、誕生日・・・?
あ、今日は2月12日だった。
私が生まれた日だ・・・・・。
「珠理先輩、おめでとうございます。これ、私からのプレゼントです」
小さい箱を差し出してくれた。
「ありがとう。開けていい?」
「はい」
リボンを解いて蓋を開けた。
「香水・・・・?」
赤い瓶のハート型の香水。
「はい。珠理先輩に似合うかな、って思ったんですけど・・・・・」
「ありがとう。付けて見るね」
手首にシュッとかけた。
「あ、良い匂い・・・・」
「どれ?」
悠斗が手首に鼻を近づけた。
「本当だ。珠理に合ってんじゃん」
ふんわりとしていて、サッパリとした香り。
「珠理、これは私達から」
今度は大きめの箱を渡された。
「ありがとう」
「開けて開けて」
「うん」
開けると、洋服が一式入っていた。