疲れ切った心



「うわ~・・・・」


「綺麗ですね」


「キザなことするな」



中の物を取り出すと、右薬指に差し込んだ。



「卒業したら結婚しよう」



突然笑いだした結夢と山本君。



対照的に私は涙で視界が見えない。



「だから笑うなって!」


「そうですよ。誕生日にプロポーズなんてロマンチックじゃないですか」



「だってあの悠斗が本気でプロポーズだなんて」


「遊び人って聞いてたのに」



「だから嫌だったんだった」



「珠理先輩、返事は?」



「うん・・・・・。こんな私でいいなら・・・・」



「今のままの珠理がいいんだ」



「うん・・・・・」



泣いて返事をする私を優しいく抱きしめてくれた。




「珠理、おめでとう」


「おめでとう、珠理ちゃん」


「珠理先輩、幸せになってくださいね」



「ありがとう、皆」



涙でグシャグシャの顔で微笑んだ。
< 521 / 572 >

この作品をシェア

pagetop