疲れ切った心
「うわ~・・・・」
「綺麗ですね」
「キザなことするな」
中の物を取り出すと、右薬指に差し込んだ。
「卒業したら結婚しよう」
突然笑いだした結夢と山本君。
対照的に私は涙で視界が見えない。
「だから笑うなって!」
「そうですよ。誕生日にプロポーズなんてロマンチックじゃないですか」
「だってあの悠斗が本気でプロポーズだなんて」
「遊び人って聞いてたのに」
「だから嫌だったんだった」
「珠理先輩、返事は?」
「うん・・・・・。こんな私でいいなら・・・・」
「今のままの珠理がいいんだ」
「うん・・・・・」
泣いて返事をする私を優しいく抱きしめてくれた。
「珠理、おめでとう」
「おめでとう、珠理ちゃん」
「珠理先輩、幸せになってくださいね」
「ありがとう、皆」
涙でグシャグシャの顔で微笑んだ。