疲れ切った心
「俺さ、本当は前のこと退屈な奴だと思ってたんだ」
失礼ね。
どうせ私は退屈な奴よ。
「笑顔は一つしか知らない。常に笑顔。そんな人生のどこが楽しいのか不思議だった」
失礼な言葉を遠慮なく吐きながら走るのを止めない。
「でも人には人の事情がある。それは珠理も例外じゃない」
そして、ある教室の前で悠斗は立ち止った。
ココ・・・・・・
「悩んでる珠理も、寂しがってる珠理も、怒ってる珠理も、勿論笑ってる珠理も、全部含めて大好きだ」
悠斗・・・・・
「だから、ずっと俺の側に居て」
言い終わると同時にドアを開け、自分だけ中に入ってしまった。
「お、主役が来た」
「悠斗遅いぞ~」
「もしかしてイチャついてた!?」
「不純行為反対~」
「卒業したからってハメ外すなよ~」
「これでも走って来たんだよ」
教室の中は3年A組のメンバーが笑顔で待っていた。
「珠理、こっち」
結夢に腕を引かれ、教卓に立たされた。