疲れ切った心
「何を言ったらいいのか・・・・。珠理がお世話になりました」
あのお父さんが悠斗に向かって頭を下げている。
頭と机が擦れ擦れ。
「こちらこそお世話になっていました」
2人共、顔がやつれてる・・・・。
私の、せいだよね・・・・。
「帰ってくる気はないと言っていたのに、帰ってきてくれて本当によかったわ・・・・」
まだ泣いているお母さん。
そんなお母さんに何かをしてあげるという資格は私にはない。
「珠理、すまなかった。私達のせいで自分を追いつめる所まで追いやってしまって」
そして、頭を上げた。
「バカだと思うが、私は珠理を追いつめてるつもりはなかったんだ」
もしかして、私の為だったの・・・・・?
「珠理が将来困らないようにと思って口を出し過ぎてしまった」
分かりにくいよ・・・・・
「まさか裏目に出てしまっていたとは。本当にすまなかった」
誰もそれが愛情だなんて気付かないよ。
「私の方こそ、ごめんなさい・・・・・」
愛情だったなんて知らずに、酷い言葉を言った。
心配をかけてしまった。
それが、例え知らなかったとしても酷いことをしてしまったことには変わりない。