疲れ切った心



「ほら、行くぞ」



「今日もなの?」



折角の2連休なのに、今日も家から連れ出されてしまった。



「周りからの祝福は花嫁の「幸せ、でしょ?」



「フッ、そういうこと」



得意げに笑う悠斗。



だから、何処に行くのよ!







ピーンポーン



着いたのは新築の家。



「はいはい」



中から女の人の声が聞こえた。



もしかして・・・・・・



表札を見ると、“大西”と書いてあった。



待ってよ、私手ぶらなんですけど!



昨日はちゃっかりと手土産を持って行ってたのに。



自分だけズルイ。



「いらっしゃい、2人共」


「お義母様、お久しぶりです」



深々と頭を下げた。



「本当にいい子ね・・・・・・。悠斗には勿体無いわ」



「煩い」



「あの、突然押し掛けてすみません。私も知らなくて今日は手ぶらなんですが・・・・」



「あら、私は昨日連絡を貰ったわよ?」



嘘!?



悠斗のバカ!



「それより親父は?」



それよりで片されたし。



「中で待ってるわよ。さぁ、どうぞ」



お義母様に促され、リビングに通された。
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