疲れ切った心




「親父~、来たぞ~」



随分態度がデカイのね。



「おぉ、待ってたぞ。君が珠理ちゃんだね」



「珠理かよ」



「はい。初めまして」



差し出された手を握り返した。



「妻から話は聞いています。悠斗には勿体無い娘さんだそうで」



「煩い。今日は報告だけしに来たんだよ」



肩を掴まれお義父様と引き離されてしまった。



「報告?」



「俺達結婚する。勿論珠理の家族からも承諾済み」



「あっそ」



「豪い興味がないんだな」



「結婚するから就職するって先に報告してきたの誰だっつーの」



そうなんだ・・・・・



「悠斗、ちょっと待ってなさいよ」



お義母様がパタパタとスリッパの音を立ててリビングから出て行ってしまった。



ガチャ____



「ふぁ~・・・・・」



頭を掻きながらお義母様と入れ替わりに入って来た少年。



私と同じくらいの身長だけど、年下だよね・・・・・?



「あれ?あんた誰?」



あんたこそ誰よ。



「弘斗(ひろと)、お客さんだ。着替えてきなさい」



「はいよ」



少年が出て行くと、お義母様が戻って来た。
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