疲れ切った心
「あら、弘斗今起きたの?」
「みたいだな。いや~、大変お見苦しい所を見せてしまってお恥ずかしい」
だからあの人誰よ。
「2人共まだお金貯まってないでしょ?これ、受け取って頂戴」
スッと出された通帳。
「悠斗の為に貯めてたの。弘斗の分も貯めてるから少ないとは思うけど、結婚式の費用にでも足して頂戴」
もしかして、さっきの少年って・・・・・
「サンキュ、お袋」
「おめでとう。2人共」
「ありがとうございます」
4人で笑い合った。
祝福されてる、そんな感情が伝わって来た。
「兄貴、結婚すんのか!」
「弘斗」
やっぱり弟さんか。
さっきとは全く別人に見えるほど見違えた弘斗。
寝癖も直してある。
「初めまして。河野珠理です」
「俺、弘斗。よろしく、義姉さん(ねえさん)」
微笑んだ顔が悠斗とそっくりだった。