疲れ切った心

幸せの鐘が鳴る日

6月1日。




今日は予定通り結婚式を開くことができた。



「珠理ちゃん、こっち」



舞さんと准さんに連れられ、控室に連れて行かれた。



悠斗は「花婿は向かいの部屋で着替えね」と准さんに適当にあしらわれ、着替えに行ってしまった。



「どう?」

「2人で珠理のイメージを固めて作ったんだけど」


実はサプライズにしたいからと寸法だけ測ってデザインは当日まで知らなかった。


「綺麗・・・・・・」



真っ白の純白のドレスは当たり前のこと、腰の所にホワイトの花が咲いていてそこに向かって二重生地の上の方が上がっている。



袖の部分は肩出しで胸の部分は谷間が強調される感じ。



上半身は花柄のレースで巻いてあり、下半身はシンプルなレースが上に飾られている。



全身鏡を見て自分が自分じゃなく感じる。



コンコン____



「失礼します」



入って来たのは夏蓮だった。



真っ赤なショートドレスに身を包み、髪を団子にしてアップにしてある。



「夏蓮綺麗!」


「ありがとう。でも珠理には負けるな」


「そんなこと無いよ」


「はいはい。髪弄らせてもらいま~す」



私の髪を器用にハーフアップのお団子にしていく。



そして、前髪でもある横髪と残った後ろ髪を綺麗に巻いていった。



その間に舞さんと准さんに化粧をされ、仕上がった頃に悠斗と北村君が入って来た。



「どう?珠理綺麗でしょ?」



肩を軽くポンポンと叩く夏蓮。



「綺麗だね。夏蓮には似合わないかもな」


「もう、堅吾の意地悪~」



イチャついている2人を放置し、悠斗をジッと見た。



「どう、かな・・・・・」



「普通じゃない?」



やっぱりそうだよね・・・・・。



「あんた乙女心が分かって無いね~」


「准、そんなにはっきり言ったら失礼よ。さ、時間だから行くわよ」



舞さんが准さんを連れて出て行ってしまった。



「悠斗、俺はお前の気持ち分かるぞ」


「は?意味分かんないんだけど」



北村君は何故か悠斗に共感してから出て行ってしまった。



夏蓮は北村君の台詞に疑問を抱きながら出て行ってしまった。
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