疲れ切った心




「ちょっと、もう時間だよ」



結夢の一言で三条さんを残して3人が出て行ってしまった。



「悠斗、かわ・・・・」



かわ・・・・?



「悠斗、じゅ、珠理おめでとう」



顔を真っ赤にしてお祝いの言葉だけを言って出て行ってしまった。



「・・・・・・」



何が起こったのか理解できず、ただ茫然と悠斗と一緒にドアを見た。



「今アイツ、“珠理”って言ったよな・・・・」



「う、ん・・・・・」



初めて“珠理”だなんて呼ばれた・・・・・



「よかったじゃん。アイツも、なんだかんだ言ってお前と仲良くしたかったんだよ」



「うん・・・・」








私も、次会ったら呼ぼう。









“琴羽”






ってね。







コンコン___



「時間となりました。準備の方お願いします」



「は~い」



呼ばれ、立ち上がった。



「珠理」



え・・・・・・




「_______」



「な、なに・・・・」



「さっきの続き」



悪戯な笑みを浮かべる悠斗。



耳元で囁かれた所がまだ熱い。



『さっきのは嘘。綺麗だよ。惚れ直した』
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