疲れ切った心
「兄貴、おめでとう」
「お、弘斗。やっと見つけた」
「海じゃん。久しぶり」
「呼び捨てにすなっていつも言ってんだろうが」
グリグリと頭をグーでねじこむ。
「だって海、俺よりバカなんだもん」
「余計なお世話だっつーの」
2人の姿は笑い物そのものだった。
「ねぇ、あのイケメン誰・・・・?」
クイクイと手袋の裾を引っ張ってくる瀬奈。
「あぁ、弘斗だよ。大西弘斗。瀬奈と同じ聖南の1年だよ」
「そう、なんだ・・・・・」
「何?一目惚れでもしちゃった?」
「結夢、虐めないの」
って、私達の会話聞いてないし。
「珠理先輩♪」
「茉美ちゃん!来てくれたの?」
「当たり前です。先輩の晴れ姿ですもん。先輩方お久しぶりです。そして悠斗先輩もおめでとうございます」
「俺はおまけか」
肯定でもするかのような笑顔を悠斗に向けた。
「あ、生徒会長」
「本当だ」
弘斗が気付くと、瀬奈も気付いた。