疲れ切った心
「珠理、おめでとう」
懐かしい声が背後から聞こえた。
「伊織!」
数ヶ月振りだが、全然変わってない。
隣に彼女さんも居る。
「あんたが、伊織?」
悠斗のオーラがどす黒くなっていく。
「穏便に行こう?花婿さん」
まぁまぁ、と落ち着かせる素振りをする。
「ほら、俺も親に無理矢理決められたことだし?」
「悠斗、伊織はお兄ちゃん的存在って言ったでしょ」
悠斗の腕に絡みついた。
「花婿の悠斗です。以前は珠理がお世話になりました」
殺気が消えて行き、ホッとする。
「いえ、こちらこそ・・・・・」
伊織の方が年上なのに。
「それより、伊織も来てくれたんだ」
「ちゃんと返事出しただろ?」
「そうだけどさ、直前で来てくれないのかと思ってた。どう?私の旦那様は」
「イケメンじゃん」
「まあね。伊織よりはイケメンだよ」
「ノロケかよ。ま、結婚まで嗅ぎつけたってことはちゃんと話したんだね」
話した、よりは・・・・・・
「バレた?」
「よかったじゃん」
「まあね」
結果オーライって所だね。