疲れ切った心
「俺が教えました・・・・」
ったく、しょーもないことばかり教えるんだから。
「他にも教えたぞ?悠理、ママは?」
悠理を見ると、キョトンとした顔から笑顔に変わった。
「うるしゃい!」
ピシャリと言い放つと、パチパチと手を叩き声をあげて笑う。
「へ~・・・・。他にも教えたってこのことだったんだ」
冷たい視線を悠斗に移した。
「違う。綺麗だろ?悠理」
「ママ、うるしゃい!」
ちゃんと教え込めてないじゃない。
「悠理違う!」
もういいよ。
背凭れに背中を預け、窓枠に肘をついた。
ころころと変わって行く風景。
外をずっと見つめていると、5年前と同じ風景が姿を見せた。