疲れ切った心




悠斗が悠理を抱っこし、私は荷物を持って車から降りた。



「珠理、まだ怒ってんのかよ」



鍵を閉めた悠斗が走って横に並んだ。



「別に」



どうせ私は煩い母親ですよ。



「ママは煩いとは教えてないんだぞ?」



そんなこと知らないわよ。



「悠理が寝てる時に耳元で叫ぶから煩いって教えただけだって」


「・・・・・ちゃんと意味は理解出来てるみたいね」


「あれ?いや、違う!」



コンコン____



「結夢、入っていい?」



「いいよ~」



悠斗を無視して花嫁控室に入った。



「珠理!?」



悠斗の呼びかけにも応じずに。



パタン____



「結夢、おめでとう」


「ありがとう」



ニコッと笑う結夢の顔は、5年前とは全く別人に見えた。



「クスッ」


「何よ」



ムスッとしてしまった結夢。



「5年前に比べたら成長したな~、って思って」


「5年前と一緒にしないでよ!」


「ごめんごめん」


「全然謝罪になってない」
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