疲れ切った心



私も悠斗の背中に手を回し、抱きしめた。



普段の私ならここから出ようと頑張るけど、今はそんな余裕が無かった。



余裕が無いというよりも、今は誰かに甘えたかったのかも知れない。



「あのさ、そろそろ離れてもいいか?」


「あ、うん・・・・」



まだ甘えたかったけど、悠斗が迷惑だと思うならしょうがないよね。



「ごめんね。迷惑かけて」


「俺は迷惑だと思ってねぇから」



冗談が上手いんだから。



「あのままだったら珠理を壊してたかもしれないから」



私を壊す?



何意味の分からないこと言ってんだろう。



「結夢たちの所に戻ろっか」


「もういいだろ?」



何が?



「きゃ」



腕を引っ張られ再び悠斗の腕の中に閉じ込められた。



「やっぱり珠理は暖かいな」



今度は後ろから抱きつかれていて悠斗の膝と膝の間に座っている。



私は暖かくないよ。



暖かいのは私じゃなくて悠斗だよ。
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