疲れ切った心


会計係である結夢にとってはこの仕事が忙しいだろう。



結果を明日までに出さなくてはいけないから。



「お願いします」


「は~い」



不正が無いように売上金額を結夢が数える。



数え終わったら持ってきた人が持って帰る形になっている。



全クラスが売り上げを持ってくると、そこからも大変で、売上が高い順に並べ直さないといけない。



そしてそれをパソコンで打って印刷する。



そこまでが結夢の仕事。



「はい、完了」


「ありがとうございました」



ここに来る前に一回数えてその金額を紙に書いてお金と一緒に持ってくるルールになっているから、数えるだけは早いと思うんだけどな。



結夢がもう一度数え直すのもやっぱり不正行為を防ぐため。



来るときは順位が下げてしまう可能性があるため、お金を取る人はいないと思うが帰る時に取る人が出るかもしれないということで結夢が数えたら印を押して持って帰る。



こんなめんどくさいルールを決めたのも、先代の先輩たち。



「失礼しました」



一礼してから出て行った。



「あ~!!」



生徒が出て行ったら結夢が叫び出した。



「まだ5クラスしか来てない!こんなんで今日中に終わるわけ!?」



まだ5クラスしか来てなかったんだ・・・・・・



「茉美ちゃん、結夢のために放送かけてきてあげてもらえる?」



悠斗と話していた茉美ちゃんに頼む。



「ラジャ~です」



微笑んで可愛く敬礼ポーズをすると、放送室へと出て行った。
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