疲れ切った心


本当に悠斗の家は近くにあり、5分もしないうちに着いた。



「ここで待ってろよ」



私を玄関に残して部屋の中へと消えて行った。



「ほら」



そして一枚のタオルを渡された。



「ありがとう」



遠慮なくタオルを借り、頭を拭いた。



「珠理、こっち」



悠斗の部屋は1LDKのアパートで、ドアが二つ在った。



そのうちの一つの方で手招きをしている悠斗。



「お邪魔します」



靴を脱ぎ、家の中へと上がった。



「使い方分かるだろ?先に入ってこいよ」



悠斗が立っていたドアの中は洗面所とお風呂が在った。



「別にいいよ」


「一緒に入りたい?」


「お風呂借りま~す」



笑顔を作った。



「スウェットとバスタオルは用意してあるから」



悠斗の指の先を見ると綺麗に置かれてあった。



「洗濯機勝手に回していいから」



それだけ言うと私を中に入れ、ドアを閉めた。



ガチャ



念のため鍵を閉めた。



裸の時に入って来られたら堪ったものじゃない。
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