疲れ切った心


風呂から上がるとベットの前に置いてある背の低い机で珠理は勉強していた。



ベットに座っても、俺の存在に気付いていない。



集中してんだな~



文化祭の時に英語で話し掛けても普通に英語で返してきた。



俺は英語だけが得意。



でも珠理は英語以外にもきっと勉強出来るだろう。



そう思いながらずっと珠理を見ていた。





「ん~・・・・。終わった~」



あれから30分ぐらい経ち、上に向かって伸びをした。



「お疲れ」


「えっ!?悠斗!?」



後ろから声を掛けると今気付いたらしく、かなり驚いている様子。



「いつから居たの?」


「30分ぐらい前?」


「全然気付かなかった・・・・。出てきたなら声かければよかったのに」


「ものすごく集中してたから。それと携帯さっきから光ってるよ?」



集中してたので言わなかった。



「あ!!お母さんからだ!!」



携帯を開いて叫んだ。



親から?



「もしもし?お母さん?ごめんなさい今まで友達の家で勉強してたから全然気付かなかったの」



折り返し電話をしたらしく、誰かと話し始めた。
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