疲れ切った心
悠斗side
あの日から、一か月が経った。
琴羽は体調が優れているらしく、毎日学校に来ている。
だから珠理と話す暇がない。
本当は暇が無いわけじゃなくて、話しかけれないだけかもしれない。
また、珠理の作り笑顔を見るのがショックで、俺が戻してしまった瞳を見るのが怖くて琴羽を言い訳に逃げてるのかもしれない。
そう考えても、やっぱり珠理に話しかけることは出来なかった。
そんなある日、教室で琴羽と海と話していると、女子が話しているのが聞こえてしまったんだ・・・・・・
「そういえば最近さ~、悠斗君三条さんに付きっきりだよね~」
「そうそう。毎日会長の所に行ってたのにあの頃が嘘みたいだよね~」
「あの時は会長が羨ましかったけど今は同情しちゃうよねぇ」
「何で?」
「だって彼女より幼なじみ優先だよ!?いくら身体が弱いからってねぇ?私だったら耐えられない」
「知らないの?会長と悠斗君別れたらしいよ?」
「そうなの?」
「噂だけどね」
噂・・・・・・・・・
もうそんな噂出来てるんだ・・・・
やっぱり珠理は俺と別れたかったんだよな・・・・・・
俺の日常に珠理が居ないと、頭の中は珠理のことで頭がいっぱいだった。