好きな人の忘れ方





ふーんって・・・・




何か、そうなのか、そうじゃないのかすら分からない返事に私は返す言葉もない










「・・・・・ふむ」






いつの間にか俯いていた私は顔を上げた




さっきまで何も持っていなかった啓太郎の手には四角くて黒いのか青いのか分からない








「ノート・・・・・?」

「ん」

「・・・・・・」





それから顔をあげずに少しだけ掲げるようにして、返事をする啓太郎を見つめる






「あー・・・・なるほどね・・・・まじか・・・・」

「・・・・・・」






一人、それに目を通しながら、ぶつぶつと話している





「あの、さ」

「ん」

「えと・・・・今まで何してた、んですか?」

「・・・・は?」






いや、そんな顔されてもね

でもさ、何て聞いたらいい訳?!

だって、元気だったとかおかしいじゃん?!


元気だったよーって言われても、へーって言える訳ないし?



だから・・・・・・



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