好きな人の忘れ方
「見えないと思ったら、先に来てたんだ」
「ああ・・・・」
「・・・・・」
その部屋の壁に腕組みをしてもたれて立ってる啓太郎は、それだけ言って自分を見ている
「・・・・・今年も、沢山あるね。花」
「・・・・・・」
きっと、今日にはこれない人達が前もって訪れた跡
3年前の今日
啓太郎は、この世を去った
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「どうした」
「・・・・・」
「うん」
「・・・・・」
「よ「遥ちゃん」
啓太郎が何かを言おうとしたのと同時、開いたドアからおばさんがお盆を手にして入って来た