好きな人の忘れ方




鞄を握った手にぐっと力が篭るのを必死に抑えながら、取り出した携帯








〒 啓太郎
件名ReReReRe:
本文
今日、一緒にご飯食べない?





確かめるなら、すぐさま電話すればいい


しかも、相手は目の前に居るんだから話し掛ければいい





そんな事分かってるけど、取り乱さないだけで精一杯の私には、このメールしか出来なかった



祈るような気持ちで返事を待ってる私の手にある携帯は、きっと今までにないってくらい力を込めて潰されてる








軽い振動にブルーのランプ


仕事では、マナーモードにしているからランプの色で区別してる私は、そこらの女子となんら変わりないくらい普通の女で







〒啓太郎
件名ごめん!
本文

今日は、仕事で遅くなる












「・・・・・・」




女子の皆、大人の女性諸君


この現場を見て、このメールが来て


相手が自分の彼氏だとしたら




こいつは、シロだ!って胸張れますか?






そして、話は冒頭に戻るのであります


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