アルバ…
私は…教室を離れようとした。


タ…タ…

教室を出ようとしたあなたと鉢合わせ。

「何やってんの?こんなとこで…」

どうしよう。

「たまたま通りかかっただけです…」

「なんだ…プレゼントくれるのかと思ったのに。」

え?

私はどうしていいのか分からなかった。



だから、

ショ袋の中をあさる振りをして見せ

「あ、こんなとこに偶然、新品の鞄ありました。」


こんなのいらないよね…

「ぃ…いります?」




沈黙が怖い。


「それだけ?」

「え?あ、はい…鞄だけですけど。」

「違う。言葉!言うことってそれだけなの?」

「あ、誕生日おめでとうございます!!」

あなたは何か諦めたような顔をし

「サンキュー。」

と私のプレゼントを受け取った。


そして




「帰るよ。」

と言ってくれた。



私は後ろからこっそりあなたを撮ろうとした。


すると…

「何してんだよ。」

うわ…怒られる。


「俺を撮りたいなら、俺の言われたいこと言ってからね。」


「なんて言えばいいですか?」

「最初の文字は、『す』。最後の文字は『い』。ね。」


『す』から始まって『い』で終わる?


あ!私は手を叩いて

「『す』ごくかっこい『い』!じゃないですか!?」


「違う。」

「え~それ以外分かりません…」



「仕方ないな…答えを言うからよく聞いとけよ。」

そう言って一度咳払いをした。

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