Knock out!
「お?さすが特進クラス。対応、早いなー。」
横目でちらりと私を睨んでからスッとクラスに溶け込む。
ホントだ。
男子あんまり、ていうか全然見てなかったけど、制服を許される範囲で着崩して、髪も……
「なんかみんな良くなったよね。」
うん。そんな感じ。
活気が出そう。
「その割には麻李はなにもしてねえんだな。」
だってめんどくさいから…………って
はっ!!
私は夏樹と話しているつもりが、何故か小松くんと…
ばっ!と離れると小松くんは面白がったのか、そんな離れなくても何もしないよ、と呟いてから、自分の席へ向かった。
信じられないよ、そんな言葉。
「ねえ、麻李!麻李もなんかしなよ!みんなしてるんだし。」
とりあえずこないだのことは忘れよう。
小松くんだって、冗談半分だったんだろう。いや、半分、じゃなくて、きっと全部冗談。
「うん!夏樹、やって?」
私は小走りで夏樹のところへ走った。