Knock out!
「麻李…。」
「何?やっぱ急にイメチェンとかへんだったかな?」
スカートは二回巻き。それだけでもう膝上10センチ。
髪は、下ろしたままだとじゃまだから、ひとつくくりを二つくくりに変えたといういたってシンプル。だけど一番変化があるイメチェン。
あんまり変わってないようにしたつもりだったんだけど…
「可愛い!!すっごい可愛いよ、麻李!」
「いや、でもなんか、クラス中の視線がかなり痛いんですけど…」
「それは麻李がかわいくて見とれてんのよ!」
見とれてって…
まさか、ね?
こんなに簡単に小松くんに乗せられていいのかな。
みんな、思うつぼじゃん。(自分も)
このクラス、本当に変えられちゃうかも…
なんてことをぼーっと考えてたら、突然、
がしっと腕を掴まれた。
「いっ!!何?って…小松、くん…」
危険人物登場。
「ちょっと、幸村さん借りていい?昨日言い忘れたことあって。」
笑顔を振りまくだけで堕ちかけの夏樹。
「ど、どーぞどーぞ!!そういや麻李、書記だったもんね!」
「ありがと。じゃ。」
言い忘れたって…昨日別に何も言ってないじゃん。
抵抗する暇もくれず、ずかずかと歩いていく小松くん。
私はついていくことしかできない。