Knock out!





「麻李…。」




「何?やっぱ急にイメチェンとかへんだったかな?」




スカートは二回巻き。それだけでもう膝上10センチ。


髪は、下ろしたままだとじゃまだから、ひとつくくりを二つくくりに変えたといういたってシンプル。だけど一番変化があるイメチェン。



あんまり変わってないようにしたつもりだったんだけど…













「可愛い!!すっごい可愛いよ、麻李!」




「いや、でもなんか、クラス中の視線がかなり痛いんですけど…」




「それは麻李がかわいくて見とれてんのよ!」



見とれてって…



まさか、ね?





こんなに簡単に小松くんに乗せられていいのかな。



みんな、思うつぼじゃん。(自分も)




このクラス、本当に変えられちゃうかも…







なんてことをぼーっと考えてたら、突然、



がしっと腕を掴まれた。




「いっ!!何?って…小松、くん…」



危険人物登場。





「ちょっと、幸村さん借りていい?昨日言い忘れたことあって。」



笑顔を振りまくだけで堕ちかけの夏樹。



「ど、どーぞどーぞ!!そういや麻李、書記だったもんね!」



「ありがと。じゃ。」




言い忘れたって…昨日別に何も言ってないじゃん。



抵抗する暇もくれず、ずかずかと歩いていく小松くん。


私はついていくことしかできない。






< 14 / 20 >

この作品をシェア

pagetop