Knock out!
ついたのは、小さな部屋。
教室、とは思えないほどのリッチさ。
こんな部屋、あったっけ?
「ここは生徒会室。」
えっ…
もしかして、声、もれてたかな?
じゃあ、他の言葉も…
気をつけないと。何洩らしちゃうかわかんない。
しばらく黙っていた小松くんは、くるりと私に向き直った。
「なんで変えたの、格好。」
………は?
変えろっつったのはあんたでしょ。
あ、いけないいけない。ついつい本音が……
「みんな、変えてたし。クラスの空気、よくしなきゃって…「そのままでよかったのに。」
「え?だ、だって…」
なんでだろう。小松くんがだんだん近くなる。
「だって、何?」
昨日の小松くんが少しずつ顔を出す。
どうしよう。
コツ…
肘がドアに当たる。逃げ場がない。
右にずれようとしたら、小松くんの腕が逃げ道をふさいだ。
「言って?麻李。」
「小松くんが、クラス、変えるって言ったんじゃない。なのにそのままでって…意味わかんない。」
言っちゃった…
小松くんの顔が険しくなる。
怒らせちゃったかな?どうしよ…