Knock out!






嫌な予感は的中した。







朝礼。





担任の先生は去年と同じ、国語科の重村先生だった。



「特進クラスっていう負担はすごく大きいし、勉強も頑張らなきゃいけないけど、せっかくこのクラスで同じになった仲間が今、ここにいる。
この出会いを大事にしてね。友達をたくさん作って。」




この先生はすごくいい先生だ。

生徒のことを一番に考えてくれるし、国語の授業も分かりやすい。






それは確かに嬉しい。






「では、今回のクラス委員を紹介します。小松くん出てきて挨拶を。」




一番窓側の後ろの生徒が立ち上がった。




さっきも見たけど近くで見ると
一層イケメンだな…



こりゃ、女子がほっとかないわー。




彼は、教室をぐるりと見回して、いきなり、






バンッ!






教卓を強打した。




「お前ら、たるんでる!!」





……………………………は?







教室中の目が

一瞬で点になった。






彼からそんな汚い言葉が出てくるとは…






彼はさらに続けた。






「君たちは勉強ばかりしてたんじゃないのか?

まずその制服!なんの手入れもなく、洗濯もしてないんじゃないのか?

女子はスカートのプリーツが伸びきってるし、男子はカッターシャツがしわしわだ。


それに髪の手入れ、カバンや小物の汚れ…。数えきれない。ちょっと勉強ができるからって、勉強だけがすべてじゃないんだ。

世の中、勉強だけじゃやっていけないんだ。」










みんな図星で黙っている。







「俺は、クラス委員として…




このクラスを、変えてみせる。」







このクラスを…




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