夢に落ちし未来
この地に越してきて三年が経つ。

僕の傍らには一人の少女。

特別な関わりがあるわけでもない。

でも二人でいると心は安らぐ。

彼女はどうなのだろう。

僕と彼女の距離はどれくらいあるのだろう。


今日は高校の合格発表に二人で来ていた。


「また同じ学校だね」

横手から彼女は微笑む。

僕も綻び、それに応じる。

「これからもよろしくね」

彼女との距離が僕にはわからない。

近いようで、遠い距離。

僕は彼女の「特別」になる選択はしなかった。

いや出来なかった。

全てが崩れてしまうのを憂虞していたから。
< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop