最低な恋人
「良かったねー、すっごい可愛く写ってるよ。」
まるで、それがたいしたことじゃないみたいに私に画面を見せてくる。
「保存っと。」
私の醜態は抵抗する暇もなく彼の携帯のメモリーに登録される。
「大丈夫だよ、ばら撒いたりしないから。
お昼にここに会いにきてさえくれれば。」
これまた天使の微笑みで言い放つ。
「じゃあ明日も楽しみにしてるねー。」
バイバーイ、と手を振って帰っていく男を引き止めることすらできず、立ちつくした。