最低な恋人
放課後、家が隣だから帰るのはいつだって一緒。
中学生のころから二人とも帰宅部で、喧嘩をした日でも目を逸らしながら肩を並べて歩いた。
「今日暇?
俺ん家寄っていかない?」
学校帰りに彼の家に寄るのは決して珍しいことではなくて、
「大丈夫だよ。」
と当たり前のようにオッケーした。
私の家と彼の家は、向かい合わせでさすがに漫画みたいに隣というわけにはいかなかった。
といっても、夜ご飯を作るときに醤油を借りて戻ってこれるくらいの距離。
彼の家はもはや自分の家と言えるほど知り尽くしている。