掲示板のすみっこで
固めた思いが高ぶるのに合わせて立ち上がった
真横にいた彼は数歩だけ前に進んだが、踵返した
「…っ、こんなのが許されるわけない!そうですよね!?」
身長差も手伝って訴えられる気迫が力強い。どこと無く圧を感じる
「だって有り得ますか。好きな人に恋人がいるのに告白したんですよ?そんなの認めていいわけがない!」
「…橋本くん」
許されない、有り得ない、認められない
「結果は見えてるのに、確実に叶わないって知ってるのに、それでも伝えたいだなんてバカげてる。そんなの自分に酔いしれたいだけじゃないか。一生懸命やった、でも無理だった、俺頑張ったのになんて自慢にも何もならない。そんなことにこっちを巻き込むなよ!」
バカげてる、酔いしれてる、自慢にならない
「そっちはそれで、告白して終わりかもしれないけど、こっちは違う。それが原因でぎくしゃくしたら?どうするつもりなんだよ。どうせ深くなんて考えてないんだろ!そういうの無神経すぎるんだよ!!」
「…っ、橋本くん!」
言葉は凶器、諸刃の剣
使い方次第で役立つことも傷つけることも出来る
この瞬間、自分が傷つくのはおかしな話かもしれない。でも、
「あっ…ご、ごめんなさい。俺、興奮して…」
謝る橋本くん。もう止められないんじゃないかというくらい口を動かした彼に首を振る
数秒前、間接的に受けた圧力に怯みそうになる気持ちを奮い立たせて言った
「俺も……そうだったんだ」
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