掲示板のすみっこで


「えっ」

「俺も、彼氏がいる子に告白したことあるんだ」

「なに、言って…そんな嘘、ですよね……」


先走った行動で、気まずそうに頭をかいていた手を一見し、顔に視線を戻した


「本当なんだ」


俺の一言に震えていた唇が引き締まる。垂れ下がっていた眉は釣り上がり、手の平が握られ拳になる

ポケットからはみ出たストラップが心もとなく揺れた


「…なんで、そんな」

「結果はわかってたんだけどね」

「わかってたなら……!…まさか、それがこの前言ってた…」

この前した話、告白について

肯定の意味を示して、頷く


「橋本くんが怒る気持ちはわかる。でも、手放しに否定することは出来ない」

「…それは、自分を否定することになるから?
そんな人に気持ちがわかるなんて言ってほしくない!」

「……違う。棚に上げたくないから」

興奮が舞い戻ってきた橋本くんに何とか冷静な態度を保つ

その影響か、風のせいか少しだけ熱が下がる


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