掲示板のすみっこで


「………えっ、」

思考に急ブレーキを掛けて自問自答する

口元に持っていった指先が震える。息を吐いてもそれは止まない



今、俺なんてこと考えてた?


彼らに出会わなければよかったって?

あの三人に?あんなに優しくしてもらったのに?


どうしてそんなことを言えるんだ、考えられない


寒気がして、腕で震える体を包んだ


「……最っ低だ」

頭を抱えても、振り払っても自分に対する軽蔑は消えない

体を揺すった振動で取り落とした携帯電話

薄暗くても真っ黒でない画面に映る掲示板の並びを前に跳ね上がる心臓、息がしづらくなる


いつもだったら後数時間経って、アクセスしているところ。他愛ない話を広げて、ふざけて笑い、頃合いを見計らって就寝……そうだったはず、いつもなら


でも、今はもう無理だ


さっきと現在(いま)の落差


心に芽生えてしまった汚い感情を素知らぬふりできない

普通に一員としてなんて話せない


みんなには、もう会えない


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