掲示板のすみっこで


仮定の話をしても所詮は仮の想定をしたというだけ

でも、自分がもしもあの日に思いを告げていなかったら今も引きずっている

あぁ、ちゃんと伝えていれば…と後悔したはず

だから、なんだ


「…っ、ふざけないでよ!」


こんなにも逆鱗に触れるとは思いもしなかった

「何で私がそんな惨めなことしなきゃいけないの!叶わないってわかってるのに何で!?」

言葉は詰まって返せなかった

さくらにも同じ思いをしてほしくない、なんてエゴ

妹は自分が考えるよりももっと先を見据えてた

それなのに俺はなんてことをしてしまったんだ


ほんと”無神経”だよ


「…さくら、ごめんな」


口を漱いで、洗面所を出ようとするさくらに言うと足を止めた

「何にも役に立てなくて、ごめん」

もう一度謝って、真横を通った

廊下に出て、振り向くとさくらはまだ立ち尽くしていた


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