掲示板のすみっこで

ぎこちない関係




「橋本くんが…ですか、」


ある日のバイト休憩中、ロッカー前の椅子に座わらされ、メタボ気味で険しい顔つきの店長に言われたのは新人バイトの彼について


「そんなに、遅刻してるんですか…」

ここのところ5分弱遅れてくることがあるのは知っていたけど、自分がシフト入ってない日もそうだったとは


「そうなんだよねぇ。まぁ指導係だからこそ桑井も何となく気づいてると思うけど、彼やる気ないみたいだしさ」

そうですね、と出かけた言葉を飲み込む

うんざりしたように深いため息を吐き一瞬頭を抱え込む。すぐに俺に向き直り、肩を叩いた


「頼むよ。色々考えるところはあるけど、人手が足りないから、今彼には辞めてほしくないんだよ。俺も話できる時は頑張るから桑井からも何か言ってやってくれ」

「…何か、ですか?」

「あぁ、それとなく最近遅刻多いってことを指摘して、後は適当になんとか、なっ?なっ?」


春、4月を目前にした今、無事就職活動を終えた人や自分のように遠距離の大学が決まった人たちは一気に辞めてしまった


就任してまだ短い店長はその焦りからこんなに必死になっているんだろう。髪を伝って流れる汗なんて気にせず振り乱す



4月になったらなったでちゃんと新しい子たちが入ってくると思うけどなぁ…



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