掲示板のすみっこで


必死すぎて、フォローになっているのか何なのかわからない一種の弁解を前に橋本くんは無表情のまま言った


「…もう時間なんでいいっすか」

「あ、ご、ごめん。そうだよね、もう時間……だよね。じゃあ、今日も俺が指導係だからよろしく」


表情を変えないでバックルームを去り、店内へと入った


……はぁ、最悪だ


ちゃんと説明出来なかったことに自己嫌悪しつつ休憩時間を終えた自分も後に続く





4時間後

先にアップしてしまった橋本くんとはその後もぎくしゃくしたまま


何とか仕事に差し障りない程度で、遅刻が多いの話は出来たものの薄い反応から効果は期待出来なさそうだ


話し掛けて返ってくるのは一言二言、それ以上は稀で雑談なんて以っての外


なかなか心を開いてくれない彼に話し下手な俺が指導係なんて無理な話なんだ


でも、あの日バイトに入っていたのも、レジで対応したのも自分


それはたまたまで、偶然で、でもそれがきっかけだと店長に言われた



「……もう少し、頑張ろう」


バックルームで自分を励ますよう、奮い立たせるように呟いて帰り支度を整えた


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