掲示板のすみっこで
「あの、ご用件はどういった…」
「領収書、こっちはずーーっと頼んでるんだけど」
「…あ、はい。申し訳ありませんでした。領収書ですね。ただ今ご用意します」
頭を下げて、カウンターの引き出しから取り出す。視界の隅に映るチンピラ風お客様はギロリと俺の右に厳しい視線を向けた
「おい、新人、あるじゃねぇか」
厳つい顔が近づく気配。カウンターに置かれた手が生じるトントンという音にせき立てられて、指先が震える
「………」
「おいおいさっきから、シカトしてんじゃねぇぞ、てめぇ!」
「申し訳ありません、お客様!……あ、宛名はどうされます…か?」
今にも何かしらの揉め事が勃発しそうな雰囲気に、つい大声を出すとお客様は視線を俺から橋本くんに移動させて顎をしゃくった
「こいつに聞いてくんない?俺、さっき何っ回も言ったからさぁ、領収書の場所わかんなくても、それくらい覚えてるだろ?」
「橋本…くん?」
「……………」
橋本くんからの返事はない。もう一度丁重にお願いすると、チンピラ風お客様は口から大きなため息吐いた
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