掲示板のすみっこで
「さくら、どうしたの」
触れていいのか、どうか判断はつかなかったけど、自分にも関係ありそうだからと事情を聞くことにした
「…うん、何だかね、さっき健一にメール送ってしばらくしたら、さくらが帰ってきたのよ。で、部屋行ってまた出掛けるって思い込んでたの、いつもみたいに。そしたらリビングに来て、キョロキョロ見回してるから『お兄ちゃん?まだよ。今買い物頼んじゃったから、もう少し掛かる』って言ったら、『ふーん』ってソファーに座って」
俺の渡した袋を台所に持って行く。さっきまでさくらが座っていた、テレビ前のソファーを指差す。テレビを見ていたのか小さなテーブルのソファー側端っこにリモコンがある
「てっきり、健一のこと待ってると思ったのに、違ったのかしらね」
肩を竦めて、シンクに回る。手伝おうかと近づくと夕飯はシチューで後は煮込むだけだからと言われてしまった
二階へ上がると、ピンク色のプレートが掛けられたドアは今日も閉じられている。いつもと違うのは、中に住人が居ること
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