掲示板のすみっこで


『嘘?』

『うん。俺、さっきキララが言ったみたいに女の子好きってなってたし、自分でもそうしてきたけど違うんだ』

キララの言葉を受けて次の文字が画面に浮かんだ

『でも、それは変わったやつになろうって高校入学と共に偽った自分で、ほんとは前まで女の子とまともに話せなかった』

”だから、彼女はいない”

手慣れた雰囲気も豊富な恋愛体験もない。そんな自分を変えようと黒翼は高校デビューを選択した

『こんなこと言っても困らせるだけだと思ってたけど、みんなも話したし、俺だけ黙ってるわけにはいかないもんな』

音がないから当然だけど、シーンと静まり返るのがひしひしと伝わってくる

今までの『暇人トピ』とは確実に違う空気が漂って、容易に二の句を継げられない


『だから、キララ。俺も期待外れでごめん』

『黒翼…そんなことないよ……ごめんなさい、』

謝る黒翼、謝るキララ。どうしてだか二人が携帯電話の画面に頭を下げてるような気がする



その後、それぞれがその場を去り、解散。これまでとは全く違う空間での別れだった


それな一生の別れとさえ錯覚してしまいそうなくらいに、


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