掲示板のすみっこで


始まったのとはまるで違うチャットの終わり

壁に寄り掛かって、また天井を見つめる

初めて知った黒翼とルナの抱えている物。あれが全てじゃないだろう。ネットを通してで、読み専がたまたま通り掛かることもあるから個人情報で全部曝け出すことは危険極まりない


キララが言ってた、自分が卒業式にした告白の話は親身に聞いてもらったのに俺はそうはなれない


俺は無力だ


不意に俯くと机の上の携帯電話が震えた

手を伸ばして開くと届いた一通のメール

「lyric search」からでキララのミニメールだった


『さっきはごめんなさい!』

最初の一文で内容は大体把握できた。あんな空気にしてしまったことに対する詫びだろう

でも続くのは意外な言葉だった


『黒翼とルナもだけどきっと、けんにも辛いこと思い出させちゃったよね。だって、初めて会ったあの日、すごく話すの大変そうだったのに、それなのにサラっと出しにしたみたいに流して。私がし始めた話で、一人盛り上がっちゃって…ごめんなさい!』


「キララ…」

一人称が「うち」のキララ。「私」と言うのは初めてでそれが深く反省していることと重なっているのだろうか


確かにちらっとでも卒業式の告白の話題が出て驚いた。それは最近は思い出すことも、彼女や彼女の髪型で思い耽ることもほとんどなかったから


玉砕を踏まえての告白。当たり前にフラれて、悩んだあの日の夜。一人だったら耐え切れなかった。ルナがいて、黒翼がいてキララがいて、三人がいたから胸が塞がる思いはなくなったんだ



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