掲示板のすみっこで

好き



ルナとのチャットは4時まで続いた。きっと前よりは気分が軽くなってくれたんじゃないかと期待半分で眠りにつく、まだ薄暗い朝方

黒翼が気掛かりだけど、それよりも気にしなきゃいけないことがあるんだ



「あ、おはよう」

「…はよ、ございます」


バイト先のバックルームには少し気まずそうに丸椅子に座る橋本くん

昨日はあれから彼に一つ頼み事をされた。「携帯電話の待ち受けを彼女との写真にしていることを内緒にしてほしい」と

誰かに言う気もなければ、言う相手もいない俺はすぐに了承する

一安心した橋本くん。どうやら待ち受けを変えるつもりはないようだ

……彼女、か




今朝、人間の理想的な睡眠時間を守り10時過ぎに起きた

一階に下りて、リビングのソファーで寛いでいたさくらに声を掛ける。以前は無視されてばかりだったけど、例のことがあるからかわざわざこっちに顔を向けて挨拶を返してくれた


「お母さん、回覧版回してる」

続いたさくらの第一声はこれ

「そっか」

冷蔵庫から牛乳を取り出す。あまり話をしてない影響か、俺たち兄妹の会話は基本母親みたいだ


トースターで焼いたパンとコップを片手にダイニングテーブルの席に座る
< 73 / 137 >

この作品をシェア

pagetop