掲示板のすみっこで
「私、お風呂入る」
ソファーから立ち上がったさくらは近くに置いたリモコンをテレビを指差す
「見ないんだったら消しておいて」
そう言って、素早く風呂場に通じる台所のドアへと走っていった。なるべく目を合わせないように俯かせる姿はまだ怒っているんだろう
結局、関係は逆戻り。あの時、言うべきかどうか躊躇わなくても同じこと
「あら、さくらとまた何かあったの?」
「いや、何もないよ」
何もなかったといえば嘘になる。でも説明するのもややこしくいからと言い切った
「そう?またケンカしちゃったんじゃない?最近仲良かったのにね」
「……仲良かった?そんなことないよ」
中腰の体勢から腰に手を当てて体を起こす母さん。俺は足を伸ばして、リモコンを手に番組をザッピングする
改編期だからか途中から見てもあまり楽しめなさそうなスペシャル番組ばかりだ
「だって、ちょっと前に母さんが回覧板出しに行ってた朝、二人で何か話してたじゃない」
「…あーうん。でも、あれはちょっと頼まれ事されたから」
「あら、そうなの?」
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