掲示板のすみっこで
めぼしい番組が無かったから電源をオフして、素っ頓狂な声を出す母さんに向き直る
「でもさっき、クイズに答えてた健一のこと尊敬してたと思うけどね」
「え、」
「漢字が読めたり、計算が出来たり。健一がすることに夢中になってた小さい頃と同じ反応だったからわ」
あの時よ、なんて懐かしむように語られる昔話
それはいつも一緒にいた幼少期のこと。何をする時も楽しそうに笑っていたさくら。今は向けられない笑顔。そして、すごいと注いでくれるキラキラな眼差し
例えば、髪の色だとか接する態度っか変わってしまった一面があっても、そういうところは同じなのかな
その証人は何よりも目の前にいる母親
そういう物なのかな
「これからも兄妹仲良くしてね」
こうやって言われてようやくわかるんだから、まだまだダメな兄だな
「ありがとう、母さん」
結局俺は周りに支えてもらってばかりだ
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